2011年3月6日日曜日

釜馬車走る

釜馬車走る」は1960年創作。
釜馬車走る 歌詞日本語訳

豊年の農場に 釜馬車が走る
隊伍の後につい て釜馬車が走る
馬車には 脂の乗った肉に ふんだんな野菜
軍隊暮らしをうまく切り盛りした我らの手柄だ
オホー 鞭をふるう釜馬車乗り
ピチピチ跳ねるコイも揚げてきたよ
協同農場の養魚場が目の前に見えたら
鯨のような我らの魚を思い出す
戦術訓練へ行く道は 遙か遠くて
そよ風の吹く日陰で休むのも良いが
それよりもたっぷり食べることで力が出るのさ
副業のおかげで盛りだくさんの馬車 チョチョチョチョ
副業のおかげで盛りだくさんの馬車 チョチョチョチョ
豊年の野を すいすいと 走ってゆく 走ってゆく

真っ直ぐ伸びた新しい道路を 釜馬車が走る
兵営へと 兵営へと 釜馬車が走る
馬車では 炊事員たちの 満足そうな笑い
山海の珍味でもてなした喜びさ
オホー チョチョチョチョ
革命歌を歌いながら先立った戦友たち
いまここにいたらどれほど喜んだだろうか
共産主義の高い丘を目の前に描き
鋼のような手足で意気揚々と進む
兵営へ行く道は遙か遠くて
戦友たちとおどけて笑うのも良いが
それよりも歌うことはどれだけ力強いか
革命歌で愉快な馬車 チョチョチョチョ
革命歌で愉快な馬車 チョチョチョチョ
新しい道路を いそいそと走ってゆくよ



■歌詞について
なんか直訳調のイマイチな訳ですね。どうもこういう散文っぽいやつは苦手で。

가마마차(釜馬車)」というのは野外炊事車のことです。

고기」は南のNaver日本語辞典を引くと「動物の肉」と書いてあるのに対し、共和国の『朝日小辞典』には「①肉 ②魚」と出ている。おもしろい。

기름지다は直訳すれば「脂が乗っている」「肥えている」という意味だそうですが、「기름진 마차」は「盛りだくさんの馬車」としました。

덜렁덜렁」についてはNaver国語辞典で調べたのですが、ここでは1.の意味なのか4.の意味なのか判断が付きませんね。両方かもしれません。まあ、せっかくNaverさんが「北韓語」と注記して4.を載せてくれてるので、4.の方を採用してみました。

만수진찬」はおそらく漢字に直すと「萬壽珍饌」。うまい訳が思い付かないのでとりあえず「山海の珍味」としておきました。


■作曲者ソル・ミョンスン
「釜馬車走る」は巨匠ソル・ミョンスンが23,4歳で作曲したデビュー作です。ソル・ミョンスンはこの「釜馬車走る」で金日成主席から高い評価を受けて朝鮮人民軍協奏団に入団し、団長にまで上り詰めました。1969年から1973年にかけて発表された「5大革命歌劇」においても多数の曲を担当。金日成主席と金正日総書記の政治的信任と愛を受け、のちに「金正日将軍の歌」を作曲するという、共和国の作曲家としては最大の光栄に浴することになりました。

ソル・ミョンスンについては、毎日新聞で次のように言及されたことがありました。孫引きになってしまいますが引用します。
●ああ、明星

 その後継者こそ、金総書記と高夫人との間の息子、正哲(ジョンチョル)、正雄(ジョンウン)のいずれか(漢字は推定)とみられる。つい先だって、朝鮮中央テレビで新曲が発表された。タイトルは「ああ、セッピョラ(明星)」。“将軍さまの進まれる前線への道、ずっと照らしていておくれ……”。画面には大きな星がひとつ輝き、暗闇を走る車を守っているかのようである。「後継者を暗示していると思いますね。なぜなら作曲家のソル・ミョンスンは『金正日将軍の歌』を作曲した重鎮中の重鎮ですよ。単なる歌ではありえません」(平壌ウオッチャー)

 そういえば、人民軍兵士向けの雑誌「軍人生活」(02年10月号)に「金正日将軍の歌」誕生にまつわる逸話が紹介されている。軍指揮官が金総書記に「金正日将軍の歌」完成を報告するや「誰がこんな歌をつくれと命令したのか」と容認しなかった。怒る総書記を同席していた高夫人がとりなし、こう言ったと記されている。「私はこの歌が必ず軍隊から出てくるだろうと信じていました。偉大な将軍さまの頌歌(しょうか)は銃身から出てこなければなりません。私はこの『金正日将軍の歌』を支持します」

http://www.asyura.com/0406/bd36/msg/970.html


ソル・ミョンスンはまだ存命のはずなので、金正恩同志に関係する歌の創作に携わっているのかというが目下気になっているところです。「パルコルム」の作曲者もまだ判明していませんしね。


■動画

朝鮮人民軍協奏団によるタップダンス「釜馬車走る」
 
(^q^)