2013年1月13日日曜日

「牡丹峰楽団は普天堡電子楽団を継承」

労働新聞は2013年1月4日、「朝鮮労働党中央委員会・朝鮮労働党中央軍事委員会・朝鮮民主主義人民共和国国防委員会感謝状を牡丹峰楽団創作家・芸術家に授与する集会が開かれる」と題した記事を掲載。記事によると、その「感謝状」には「敬愛する元帥様は、父なる将軍様の築かれた普天堡電子楽団を継承してわれわれ式の新しい軽音楽団を自ら組織してくださ」ったとする内容があります。

このことから、普天堡電子楽団の解散がようやく公式情報で明確になったとともに、最近ますます活動が盛んになっている牡丹峰楽団が普天堡電子楽団を継承する存在と位置づけられていることが明らかになりました。

さらに同記事は、感謝状の伝達に続いて「作曲家ファン・ジニョン」ら3人がスピーチをしたことを伝えています。これによって、リ・ジョンオとともに普天堡電子楽団の黄金期を支えた人民芸術家ファン・ジニョンの健在が確認され、また、氏が牡丹峰楽団において何らかの重要な役割を果たしていることもうかがえます。

普天堡電子楽団やその関係者の現在における処遇については不明なことが多かったですが、普天堡ファンとしてはひとまず安心できるニュースといえるかもしれません。

以下、同記事の和訳を掲載します。
朝鮮労働党中央委員会・朝鮮労働党中央軍事委員会・朝鮮民主主義人民共和国国防委員会感謝状を牡丹峰楽団創作家・芸術家に授与する集会が催される

 朝鮮労働党中央委員会、朝鮮労働党中央軍事委員会、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会の感謝状を牡丹峰楽団創作家・芸術家に伝達する集会が3日、開かれた。

 朝鮮労働党中央委員会書記の金己男同志と牡丹峰楽団創作家、芸術家が集会に参加した。

 集会では、党の文芸政策貫徹において先鋒としての役割を立派に遂行した牡丹峰楽団創作家、芸術家に贈る朝鮮労働党中央委員会、朝鮮労働党中央軍事委員会、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会の感謝状を金己男同志が授与した。

 引き続き作曲家ファン・ジニョン、楽長ソヌ・ヒャンヒ、俳優(*)キム・ソルミが決議討論をした。

 討論者は、全国の千万軍民が敬愛する金正恩元帥様の歴史的な新年辞を限りない歓喜と感激ともに接しているなかで朝鮮労働党中央委員会、朝鮮労働党中央軍事委員会、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会の感謝状を授与されるという、果てしなく大きい愛と信頼を受けたことを述べた。

 党のチュチェ的文芸政策を高く仰ぎ、先軍時代の息吹きが高鳴る斬新で進取的な創作公演活動によって千万軍民を強盛国家建設に呼び起こし、思想文化戦線の第一の旗手としての役割を立派に遂行してくれることを望まれる敬愛する元帥様の崇高な志が感謝状に込められているということを強調した。

 敬愛する元帥様が父なる将軍様の築かれた普天堡電子楽団を継承してわれわれ式の新しい軽音楽団を自ら組織してくださり、楽団の名称に将軍様のお好きだった牡丹峰という名前をお付けになったことを述べた。

 先軍革命領導に忙しいなかでも、新しく生まれた楽団の試演会と公演を指導しつつ、芸術創造事業の原則と方法から公演の主題と形象要素に至るまで、ひとつひとつ教えてくださったと話した。

 討論者は、新しいチュチェ100年代の歴史的進軍を力強く先導する気迫と躍動のある音楽芸術を創造なさろうという敬愛する金正恩元帥様の構想と意図を率先して実現していく燃えるような誓いを固めた。

 敬愛する金正恩元帥様の音楽政治を支えていく先軍文芸戦線の第一の親衛隊となり、最高司令官同志が示してくださる赤い矢印の示すほうへ力強く前進し、時代の進軍歌を高く鳴らす第一のらっぱ手となることについて述べた。

 わが党と軍隊と人民を称賛する時代の頌歌、勝利の行進曲がもっとに高く鳴り渡るすることによって、一心団結の威力で百戦百勝を見せつける先軍朝鮮の真の姿と英雄的気性を世界中へよりいっそう力強く轟かせるのだと述べた。

 愛国の魂と血が高鳴る革命的な創作公演活動によって千万軍民の胸中に金正日愛国主義を植え付ける火種となり、強盛国家建設の戦場ごとに飛躍と革新の熱風が勢いよく吹きまくようにする炎となることを強調した。

 沈滞と倦怠を知らない革命的かつ進取的な創造の精神、創造の気風をいっそう高く発揮し、個性が際だった軽音楽団、新鮮で活力のある楽団、万人の賛辞と愛を受ける人民的な楽団の名声をよりいっそう轟かせてゆくと述べた。

 討論者は、すべての創作家、芸術家が敬愛する金正恩元帥様の領導によって革命の歌、闘争の歌を高らかに歌い、チュチェ革命偉業、先軍革命偉業の最後の勝利を近づける闘争に千万軍民を力強く呼び起こすことによって、この地に社会主義の富貴と栄華の大繁栄期を繰り広げることに積極的に貢献することを強調した。

 集会では、わが党と人民の最高領導者でいらっしゃる敬愛する金正恩同志に捧げる宣誓文が採択された。


《訳注》
* 「俳優」とは歌手、演奏家なども含む芸能人一般を指す語。

7 件のコメント :

  1. 今回の報道で牡丹峰楽団所属が確認されたファン・ジンヨン氏ですが、同氏がかつて「映画・放送音楽団」「普天堡電子楽団」在籍時に作曲した楽曲が少なからず牡丹峰楽団で現代風に編曲されていることに気が付きました。
    「三日浦2.0」で彼の名前を検索すれば一目瞭然ですが、牡丹峰楽団が出演する「조국은 영원히 기억하리라」や「배우자」「우등불」「우리의 7.27」「승리자들」などはいずれも同氏の作品です。これらの牡丹峰版への編曲も恐らくファン氏が自ら手掛けたのでしょう。

    なお、昨年8月に相次いで発表された牡丹峰楽団出演の新曲「뿌리가 되자」はウ・ジョンヒ作曲、「금방석」はチョン・グォン作曲ですので、これまで普天堡所属だった両氏も現在は牡丹峰の専属である可能性が高いです。

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    1. コメントありがとうございます。

      たしかに牡丹峰楽団はファン・ジニョンの作品をかなりの数、再形象してレパートリーにしていますね。去年あたりよく牡丹峰楽団が歌っていた「당을 노래하노라」も同氏の作品ですし。ウ・ジョンヒやチョン・グォンについても今後、何らかの情報が出てくるといいのですが。

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  2. 御無沙汰しております、今年も宜しく御願い致します!

    ところで、最初の部分は2012年ではなく2013年ですよね?「労働新聞は~」の次の部分です。

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    1. こちらこそよろしくお願い申し上げます!

      ご指摘ありがとうございます。その通りですね。年が変わったのを忘れてました (笑)

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  3. 私も「朝鮮歌謡大全集」の愛用者ですが、同書出版以降の北朝鮮歌謡の創作年度は「朝鮮文学芸術年鑑」(文学芸術出版社)や「새 노래 종합본」(同)、「朝鮮中央年鑑」(朝鮮中央通信社)などで確認することにしています。

    ちなみに「단숨에」は下記PDF332ページの記述から、2009年の創作であることが分かります。
    http://kcna.kp/kcnadata/temps/2009.pdf

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    1. 貴重なアドバイスありがとうございます。

      ご教示いただいた年鑑の類、これから活用していきたいと思います。
      もっとも、近年のものは輸入が止まっているせいで図書館にもなかったりするので、そこが難しいところですね…

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  4. 「단숨에」の作曲者もファン・ジンヨン氏なのですね。ネット上で閲覧できる「새 노래 종합본」の目次で確認しました。作詞者は「攻撃戦だ」や「朝鮮は決心すればやる」で有名なユン・ドゥグン氏。
    http://library.unikorea.go.kr/search/DetailView.ax?sid=1&cid=82172

    牡丹峰バージョンの「단숨에」もファン氏が編曲したとすれば、彼の斬新な創造精神、創造気風には恐るべきものがあります。

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